アンズ

アンズの生態

アンズはヒマラヤ西部から中央アジアを原産地とするバラ科の植物である。大きさは3〜5センチほどの球形で山吹色の果実をつける。ウメやスモモの近縁種であることで知られるが、熟すと甘みを持ち、果肉と種が離れることが特徴である。
果肉にはビタミンAを多く含み、干したアンズにはミネラルも豊富に含まれる。特に後者は古くから冷え性に効果があることで知られており、果糖を多く含むことから疲労回復効果も見込める。栄養価、糖度共に高いことからジャム、ワイン、アンズ酒、ドライフルーツなど様々な用途で需要がある。日本ではカラモモの別称を持つが現在の世界的な産地はカリフォルニアである。耐寒性が高く、涼しい土地で多く栽培されている。

 

毒でもあり薬でもある成分の名は「杏仁」

 

アンズの種子は青酸配糖体や脂肪油、ステロイドといった特殊な成分を含むため、杏仁(きょうにん)と呼ばれる咳止めや風邪を予防する生薬の一つとして用いられてきた。杏仁は苦みの強い部分と甘みの強い部分とが存在し、前者を漢方薬として、後者をデザートで有名な杏仁豆腐の独特の味付けに用いている。なお、杏仁には過剰摂取することで中毒症状を引き起こすアミグダリンが含まれるため、古くから摂取量に細心の注意を払うよう伝えられてきた。