イチジク

イチジクの生態

イチジクはアラビア南部を原産地とする果物である。果実は卵型に近く、熟すと緑色から赤紫色に変色する。大きさは4〜7センチほどのものが多い。食用部分は酸っぱさを含まない甘さが特徴的であるが、これはクエン酸などの酸味成分より糖分をより多く含むことによる。ビタミンB1、ビタミンB2、鉄分、繊維質を含むことでも知られ、特に繊維質の多さから便秘に効果があるとされている。イチジクの和名は「無花果」であり、これは花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来する。実際は花嚢と呼ばれる器官の内側に小さな花を咲かせ、これがやがて可食部になることで知られている。

 

最も古い果物の一つ

 

イチジクは原産地に近いメソポタミア地方では約6000年以上前から栽培されていたことで知られている。古代ローマ、旧約聖書、新約聖書の伝承にも登場しており、そこから古代中国を経て日本にもたらされたとされる。人類にとって重要な甘味の一つであり、古くから疲労回復や整腸作用を求める人々に親しまれてきた。また、乾燥させて日持ちをよくした干しイチジクは重要なエネルギー源であったと推察されている。また葉や茎から滲み出す白い乳液は民間療法として膏薬に使われていた。